院長の挨拶

令和2年2月に医院を再開し、お陰様で病気の再発もなく元気に診療に励んでおります。私自身の入院や治療などの経験を以て、以前に増して患者様の思いに寄り添いお一人お一人に最適な治療ができますように心がけていく所存です。

当医院では整形外科一般の診療を行っていますので、頸椎、腰椎、膝、肩、及び、骨粗鬆症による圧迫骨折や手・足の骨折などの患者様が多くおられます。整形外科は分野が広範囲なため、必要に応じて京大病院などの専門の医療機関に紹介します。

皆様にはご不便をおかけいたしますが、再開業後の診療時間は、月曜日から土曜日までの午前中、及び、月曜日と木曜日の夜診とさせていただいております。

コロナ禍の中、院内では感染対策に努めてまいりますので、ご理解の程どうぞ宜しくお願い致します。


<ロコモティブシンドロームについて(後編)>

では、前編でお伝えしましたようにロコモ度テストでロコモ1から3のどのグレードか判定しましょう。

(B)次にロコモ度テストでロコモ1から3のどのグレードか判定します。テストは3つあります。

(1)立ち上がりテスト(下肢筋力を調べる)(図2)   40cm、 30cm、20cm、10cmの4種類の台を用意し、両脚又は片脚で立ちあがれるかどうかのテストです。

立ち上がりテスト

(2)2ステップテスト(図3)

 つま先をあわせて両脚で立ち、できる限り大股で2歩歩き、両脚を揃えます。その2歩分の歩幅(距離)を測って身長で割った値が2ステップ値です。

ステップテスト

(3)ロコモ25(身体の状態や生活状況を調べる)(表1)   これは表1である25の質問に対し、それぞれ0−4点の回答をして頂き、その合計点数を計算します。最初の4問は痛みに対する質問で、痛くないが0点,ひどく痛いが4点になります。次の17問は日常生活に対する質問で、服を着たりズボンをはいたり、お風呂で身体を洗ったり、電車やバスに乗れますか、ジョギングやダンスなどのスポーツができますか、どの程度の距離が歩けますか、家での仕事ができますか、などで、困難でないが0点、ひどく困難が4点になります。残り2問は社会生活に対する質問で、友人などとのお付き合いや、いろいろな行事を控えていないかで、控えていないが0点、まったく控えているが4点になります。最後の2問は動作に対する不安の有無で、不安がないが0点、ひどく不安が4点になります。詳細は整形外科医に訊いて下さい。

 以上合計100点で自分は何点かでロコモ度をチェックします。

ステップテスト

            (表1)  

#ロコモ度1:移動機能の低下が始まっている状態

1;立ち上がりテストでどちらか一方の足で40cmの台から立ち上がれないが、両脚では20cmの台から立ち上がれる。

2;2ステップテストで、1.1以上1.3未満。

3;ロコモ25でそれぞれの項目の点数が7点以上16点未満の人。

 1から3のうち一つでも該当すればロコモ度1と判定されます。これらの人は筋力やバランス力が落ちてきているので、ロコトレなどの運動を習慣つ“けることが大切です。また充分な蛋白質とカルシウムなどを含んだバランスの良い食事を心がけるといいです。

#ロコモ度2:移動機能の低下が進行している状態

1;立ち上がりテストで両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台からは立ち上がれる。

2;2ステップテストで、0.9以上1.1未満。

3;ロコモ25でそれぞれの項目の点数が16点以上24点未満の人。              

 1から3のうちひとつでも該当すればロコモ度2と判定されます。これらの人は自立した生活ができなくなるリスクが高くなっています。特に痛みを伴う場合は、何らかの運動器疾患を発症している可能性がありますので、整形外科専門医の受診をお勧めします。運動器疾患が診つかれば、その治療を行うことにより、ロコモ状態が改善します。

#ロコモ度3:移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態

1;立ち上がりテストで両脚で30cmの台から立ちあがれない。

2;2ステップテストで0.9未満。

3;ロコモ25でそれぞれの項目の点数が24点以上の人。

 1から3のひとつでも該当すればロコモ度3と判定されます。自立した生活ができなくなるリスクが非常に高くなっています。運動器疾患の治療の必要があり、整形外科専門医の 診察をお勧めします。

片足立ち

ロコモ度の改善に必要な運動(ロコトレ)は2つで、片脚立ちとスクワットです。片脚立ち(図4)は転倒しないように、必ずつかまるものがある場所で、姿勢をまっすぐにして立ちます。支えが必要な人は、十分注意して机に手や指先をついて行います。左右とも1分間で1セット、1日3セットを行いましょう。スクワット(図5)はお尻を後ろに引くように2−3秒かけてゆっくりと膝を曲げ、少しその姿勢を保ち、ゆっくり元に戻ります。できない場合は、椅子に腰かけ、机に手をついて立ち上がりの動作をゆっくり繰り返します。スクワットは、5−6回を1セットとし、1日3セットします。 他にロコトレにプラスする運動は2つ、ヒールレイズとフロントランジがあります。

スクワット

(1) ヒールレイズ(図6):ふくらはぎの筋力アップであり、 両脚で立った状態でかがとを3cmくらい上げて、ゆっくりと下ろします。これを10−20回を1セットとし、1日2−3セット行います。不安定な人は椅子の背もたれなどに手をついて行いましょう。

ふくらはぎ

(2) フロントランジ(図7):下肢の柔軟性、バランス能力、筋力アップです。 腰に両手をついて両脚で立ち、脚をゆっくり大きく前に踏み出します。太ももが水平になるくらいに腰を深く下げた後に、身体をあげて、踏み出した脚を元に戻します。この動作を左右5−10回を1セットとし、1日2−3セット行います。この時胸を張って良い姿勢を 保つようにします。大きく踏み出し過ぎて、バランスを崩さないように気をつけます。特に高齢者はバランスを崩す危険があるので充分注意が必要です。 下肢筋肉
以上ロコモティブシンドロームについて簡単に、説明しましたが、自分がどの程度のロコモなのか、どうすれば改善するのか、また必要な運動や治療は何なのかを知って頂いて、 健康寿命を延ばし、毎日が健康でより楽しく過ごして頂ける事を願っています。

      

               医療法人山口整形外科医院    山口 壽一


              
プロフィール写真

医院長 山口 壽一

院長の経歴

昭和33年5月生
昭和58年3月 京都大学医学部卒業
昭和58年4月 京大病院整形外科入局
昭和59年6月 島根県玉造厚生年金病院整形外科医員
昭和61年5月 関西電力病院整形外科医員
平成元年4月 京大外科系博士課程入学
平成 5年3月 京大外科系博士課程卒業
平成 5年4月 京都警察病院整形外科医長
平成10年4月 当医院開業
○日本整形外科学会専門医
○京都大学医学学位博士